「でも、ヨ不のためだけじゃないんです。マスコミの人は、事件を報道するでしょ。変なことをすれば名前が載ってしまうことを知っているじゃないですか。だから、お互いのリスクを背負っていることはわかっているじゃないですか」ナギサがラブホから警察に通報した相手は、マスコミ関係者ではなく、人気の出会い系サイト建設業界の人だったらしい。三〇代の男で、ポータルサイトのチャットで知り合った。「援助交際」の約束はしたものの、実際に会ったときに男が「お金がない」というので、ナギサはフェラチオだけの性的サービスをする「フェラだけ援交」の約束だった。しかし、その男はラブホテルに入ると、「フェラ」だけでなく、「本番」を強要してきた。最初は拒んだが、 三ハ歳の女子高生と三〇代の男では体力差は歴然としている。そのため、応じることを決めた。ただ、ナギサは納得がいかなかった。「約束」を逸脱したわけだから。そこでナギサは「トイレに入ったふりをして、警察に通報しよう」と考えた。何気ないふりをしてトイレに入ったナギサ。「110」番通報をするも、神奈川県と東京都の境界あたりだったために、要領を得ない。ナギサ 「あの、 三ハ歳なんですけど、いま、ホテルに連れ込まれて大変なんです」警察 「どこのホテルですか?」ナギサ 「○○市なんですけど……」警察 「もうすこし大きな声でお願いします」ナギサ (少し大きな声で)「00市なんですけど‥I」警察 「周囲の目印と、ホテルの名前、部屋番号はわかりますか?」(その質問にナギサが答えた後)警察 「わかりましたが、こちらは神奈川県なのですが、そちらは東京都なので、こちらから警視庁に通報しますので、少し時間がかかつてしまいますが、がんばつてください」「もう最悪でしたよ。こっちは焦ってるから、警察の対応が余計にのんびりしてるように聞こえるし。それに、管轄がどヽつの、って言っていたけど、こっちには関係ないし」
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